イノベーションの4つの柱【第1弾】Solvay, SA
”イノベーションとは?”第一弾
ヨーロッパの企業訪問をつうじて様々なInnovation の手法を学んで来ましたので、そのレクチャーをブログエントリーしていきたいと思います。
記念すべきGlobal Immersion Classの初企業訪問は、Solvay, SA(ソルベイ)でした。
訪問するまで恐縮ながら「ソルベイっていったい何の会社?!」と思っていました。
会社のHPでは以下のとおり説明されています。
1863年創業のソルベイは、誇り高き献身的な化学者たちによって支えられてきたグローバルな企業です。ヨーロッパで安定した歴史を持つ当社の製品は、当社の第一目標である生活の質やお客様のパフォーマンス向上の為、消費者製品からエネルギー分野に至るまで、世界のさまざまな市場に提供されています。
この目標達成への努力の結果、当社の収益の90%は世界の業界トップ3に入る事業から創出されています。
という100年以上の歴史のある化学会社です。シリカやポリマー等が主力の商品です。
伝統ある会社でありながらも、日々Innovationによって成長を遂げており、その売上規模は12.4Bユーロにもなります。
化学会社にとって日々の研究、イノベーションは利益拡大のための大切な要素です。
このソルベイの前CEO、現在Chiar manのNicolas Boel氏が私の学校の卒業生であり、彼によりInnovation の考え方についてプレゼンテーションがありました。
この会社は58か国で事業を行っており、世界21か所にR&Iセンターがあります。
R&D(Reserch and Development)ではなく、R&I(Reserch and Innovation)という名前はなかなか興味深いと思いました。
さてそのR&Iについてですが、3つの要素を重視して研究を行っているようです。
- Sustainable (持続可能な)
- Innovative (革新的な)
- Customer Behavior (顧客主義)
特にSustainability については、Sustainability Committments by 2025というものを策定しており、よりCSRを強化し、その具体的な目標に沿って行動していくと明言していました。(具体的な内容は以下のリンクよりどうぞ(英語))
Our objectives by 2025 for a sustainable chemistry | Solvay
またOpen innovationを採用しているということでした。
Open innovationとは、社内のリソースだけでイノベーションを行うのではなく、顧客の意見や外部のリソースを積極的に活用し、innovationを進めていくというものです。
「企業内部と外部のアイデアを組み合わせることで、革新的で新しい価値を創り出す」ことを目的に生まれたのが、「オープン・イノベーション」という考え方です。
オープンイノベーションについて|オープンイノベーション・技術開発支援の株式会社ナインシグマ・ジャパン
私自身Open innovation について詳しくなかったので、これを機に勉強してみようと思いました。Amazonをのぞいてみると沢山の書籍がありましたので、さっそく評価の良い書籍を読んでみようと思います。
オープン・イノベーションの教科書---社外の技術でビジネスをつくる実践ステップ
- 作者: 星野達也
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/02/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今回訪問した企業を含め、ヨーロッパの多くの企業ではR&Dを行う際にこの手法をとっているようでした。
プレゼン内では、ソルベイにとってのInnovation とは、利益をもたらすことだけではなく、社会に意味をもたらすものである"Value Creation(価値創造)"であると明言されていました。
そのInnovation の成功のためには、
- 研究のみ行うのではなく、Innovation に注力する。
- どのプロジェクトを実施するかは、内部で決定するのではなく、「外部(顧客、マーケット)」により決定する。
- 実験を早期段階で実施し、早期失敗、そこから学習し改善を行う。
- コラボレーションにより水平的拡大を行う。
以上の4点が重要だということでした。
外部の意見で何をするか決定するというのは、私がEntreprenuershipの授業で習ったLean Start upの考え方と同じです。
複数の授業の考え方がリンクした時は、とてもワクワクし、Open innovation 直ぐにでも実践してみたいなという気にさせてくれますね。